年頭のごあいさつ

新年明けましておめでとうございます。

平成19年の輝かしい新春を迎え、会員の皆様には謹んでお慶び申し上げます。皆様におかれましては、新たな希望を胸に健やかな新年をお迎えになられたことと存じます。

さて、我が国経済は、「景気は緩やかな回復基調にあり、明るい兆しが見え始め戦後のいざなぎ景気を超えた」との新聞報道等もあるものの、地方にとっては原油価格 の高騰や年金等の負担増あるいは一部個人消費に弱さがみられ、依然として中小企業における経営環境は極めて厳しい状況であります。

このような中、昨年、小泉内閣から安倍内閣に政権が替わり、安倍首相は三位一体改革を堅持しながら、小泉内閣が進めた構造改革を推し進める一方、勝ち組と負け組みを固定化せず、「誰でも再チャレンジが可能な社会」を目指す考えを示され、企業のイノベーション(技術革新)を後押ししながら、生産性を高め、経済に活力をもたらすことの重要性を表明されております。しかしながら、私ども地域の経済が疲弊している中、中央と地方に大きな格差があることを念頭に、地域の実情に合った活性化と民主導の持続的な経済成長を図っていかなければならないと思っております。

当地域においては連携しての公共事業の減少やバス路線の廃止問題、さんふらわあの撤退問題など、地域住民にとっても地元企業にとっても大変な問題が山積しており、この打開に向けての取り組みが急務となっております。このようなことから地元中小企業は厳しい状況であることはご存知のとおりでありますが、国、県の補助金が削減される中、地元への財政支援等の緊縮が大いに予想され、今後、地元経済に及ぼす影響も更に大きくなることが予想されるところであります。

インフラ整備につきましては、私どもはこれまで行政当局や大隅経済地域開発促進協議会、鹿屋市開発促進協議会と一体となり、産業・交通インフラ整備について、関係省庁に積極的に要望を重ねて参りました。結果、東九州自動車道の末吉財部−大隅間が平成21年度には供用開始の予定であり、その延長で鹿屋串良までの工事の完成が早く望まれるところであります。大隅縦貫道については、大隅半島の地域集積圏を形成するネットワーク道路として大変重要な路線であり、東九州自動車道と一体的な整備についての陳情・要望活動を行っているところです。今後は、国道504号の整備、肝属川の改修、鹿屋港の整備などについても、官民一体となって陳情・要望活動を精力的に続けて参ります。また、昨年撤退の表明があった「さんふらわあ」についても、大隅地域の産業界全体に大きな影響が懸念されることから、総意を結集し存続に向けての活動を行っていきます。

雇用については、有効求人倍率が都市部と比較してかなりの開きがあり、これの打開には、地域の産業の活性化が重要であり、鹿屋ひいては大隅全体に活力を与える大型産業の誘致など広域的産業をいかに進めていくかが喫緊の課題であると思っております。
私共は、経済界として内発型産業の構築を進めながら、鹿屋・大隅地域の経済的浮揚と自立のために、関係機関と更に連携を取りながら、積極的に事業活動を進めて参ります。

市街地再開発事業につきましては、着々と工事が進み、今年の3月から4月にかけて一部の店舗の開業や5月のグランドオープンに向けて準備も各方面で進められております。この再開発を契機に当所の「民間投資促進協議会」と共に、中央地区から市内全体の「まちづくり」のため定住人口を増やす努力をして参りたいと考えております。また、本年11月にはまちづくり3法(中心市街地活性化法・大店立地法・改正都市計画法)が完全施行となりますが、法の趣旨を踏まえながら都市機能の郊外への拡大抑制と市街地への集約といった、コンパクトなまちづくりを目指して参ります。

中小企業対策につきましては、厳しい状況におかれている中小企業者が、臨機応変に対応できるよう、シニアアドバイザー制度を有効活用しながら、会員企業の体質強化を支援していきたいと考えております。特に本年は中央地区に「産業復興支援センター」が設置されますが、自立した地域づくりのため産業経済関係を重点に、本市の基幹産業である第一次産業を基軸とし、加工製造業の育成や強化、創業等の推進・促進し、地元企業の事業機会を確保し、中小企業が経営革新を図り、自立できる仕組みづくりを確立する ことが重要であります。今後も、従前より行っております巡回活動についても引き続き実施して、中小企業の方々の要望に応えて参ります。

金融対策についても、挑戦する意欲と能力のある中小企業や債務を抱えながらも本業が順調な中小企業者に対し、セーフティネット貸付制度等の活用を積極的に促進して参りたいと考えております。また、今後、政府系金融機関の見直しが行われて参りますが、政策金融が担っている金融サービスが後退することのないように当所としても日本商工会議所を通じて働きかけて参る所存であります。

さて、一昨年から続いております「焼酎ブーム」や「鹿児島の食材ブーム」も一段落して参りましたが、市内においては、まだまだ厳しい経済情勢であることから、私どもは外貨を稼ぐという方針の下、鹿屋の地元産品について、色々な機会を通じて積極的に売り込んでいきたいと考えております。

本年は私ども鹿屋商工会議所が設立され、60周年を迎える節目の年でもございます。これもひとえに会員の皆様をはじめ、各関係機関の皆様の多大なご支援ご協力の賜であり、衷心より厚くお礼申し上げる次第であります。

年頭にあたり、所感の一端を申し上げましたが、本年も行政並びに各関係機関との連携を図りつつ、地域総合経済団体としての使命を果たすべく、更なる「大隅地域の経済的自立と地域活性化」を目指し、最善の努力を尽くす所存でございますので、会員の皆様のより一層のご支援・ご協力を賜りますようよろしくお願い致します。

最後に、皆様のご健勝とご繁栄をご祈念申し上げまして年頭のご挨拶と致します。

鹿屋商工会議所会頭 岡崎継義


ページトップへ