美里吾平のイクヒカリ

1.イクヒカリ生産の趣旨

(イクヒカリの田植え風景)

 

JA肝付吾平町が、米生産品種を従来のコシヒカリから鹿児島県の奨励品種であるイクヒカリへ全面転換したのは、消費者の米離れを食い止めるためには、消費者が嗜好している良食味米の生産に積極的に取組み、安定供給する事が必須条件であるとの認識に立ったからです。

これまでのコシヒカリにしても食味の悪い米ではなかったのですが、米の消費減少に歯止めをかけられませんでした。

日本人の食生活の多様化があるにしても、主食である米の消費を拡大し一定割合の自給率を保つことは、我が国の農業政策の重要な課題です。

この課題に応えるためにも、冷たいご飯が前提になるおにぎりやお弁当、寿司飯等でも美味しいく食べられるお米の提供こそが、14年間の研究開発を経て福井県で産みだされた新品種イクヒカリであった訳です。

イクヒカリ生産は緒に就いたばかりですが、農家の努力により、収量の安定に努める所存です。

2.イクヒカリの特徴

イクヒカリの特徴(吾平を流れる川のせせらぎ)

 

イクヒカリは、コシヒカリに比べて以下のような特徴があると言われています。

  1. アミロース、玄米タンパク質の含有量がコシヒカリに比べて少ないため、コシヒカリに比べてもっちりとした食感で、炊きあがりはよりふっくらとし、冷めた時の粘りが強いので消費者の多様化したご飯料理(特に、おにぎり、お弁当、寿司飯等)の良食味嗜好に合っている。
  2. コシヒカリに比べて、出穂期、成熟期が早く、穂長が短く、耐倒伏性が強く、収量性が安定しているので、農家の安定生産に向いている。
  3. コシヒカリに比べて食味が優れているため、食用として適さないくず米(あられや、味噌、醤油などの原料米)にも適している。
  4. また米作りには、土づくりと水質管理及び防除が大きなウェイトを占めるが、茎が太くて水を吸い上げる力が強いイクヒカリの生産にとって、水質は大きな要因 である。
    大隅鹿屋の吾平地域は、古くから水質が素晴らしい事で稲作や焼酎造りがさかんに行われてきた地域であり、イクヒカリ生産に合っている。

 

「美里吾平のイクヒカリ」へ  「美味しい話」へ