X.資金繰り実績表(31番の画面)

   <見方のポイント>
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経常収入(現金売上、売掛金入金、受取手形取立、手形割引、前受入金、営業外収益他)と経常支出(現金仕入、買掛金支払、支払手形支払、預り金支払、諸経費支払、営業外支出他)について四半期毎に比較し、それぞれの伸び率、増減について確認を行い、差額の大きい項目についてその原因を経常収支が経常収入を上回っている場合にはその原因を明らかにしておきましょう。
A 決算設備等支出について四半期毎の対比はもちろんであるが、注意しなければならないのは、設備投資支出の急激な増加である。設備投資支出には、生産力(収益力)アップのための投資、省力化・合理化・近代化のための投資、研究開発投資などさまざまな種類があるが、設備投資は害して金額も大きく、また、その回収、期間も長期に及ぶ場合が多いので、設備投資に関する事業計画に照らし、無理ムダがないかを吟味してみる。特に、設備投資を長期借入金に依存している場合は、返済資源が
 予想利益−(配当金支払い+法人税等支払い)+減価償却
の範囲内であるかが吟味のポイントとなります。
B 借入れ金返済、資金運用等(定期預金、貸付金等)についても、前年と対比して増減が大きい場合にはその原因を明らかにしておく。特に借入れ金の返済額が急激に増加している場合は、返済資源を確認しておきましょう。
なお、、借入は以下の原則を前提として行うべきです。
イ.決算資金の借入(配当金、役員賞与、税金等)
  決算資金は社外流出となるものであるから、時期決算までに返済することを条件とすべきであり、従って短期借入れに依存することになる。この場合、時期予想利益から返済されることが鉄則です。

イ.

決算資金の借入(配当金、役員賞与、税金等)
 決算資金は社外流出となるものであるから、次期決算までに返済することを条件とすべきであり、従って短期借入れに依存することになる。この場合、次期予想利益から返済されることが鉄則です。

ロ.

設備資金の借入れ
 設備資金は投下資本がどの程度の期間で回収可能か、即ち、

回収期間=投下資本/年間利益+減価償却費

の算式によって、まず回収期間を確定したのち、この回収期間と返済期間とを吟味しながら借入れ金額が決定されるのが普通です。この場合、設備借入金の年間返済額が、

{当期利益+減価償却費−(税金+配当+役員賞与)}×70%

の範囲内であれば企業のもつ返済能力内の設備投資とされる。従って、これらの算式によって決定された金額の範囲内で長期借入れに依存するのが鉄則です。

ハ.

つなぎ(季節)資金
 季節資金は、季節の変化に伴って需要が発生し、一定の時期が来ると資金が回収されるというものであるから、季節売上の見直しと回収計画を作成した上で、必要最小限度の短期借入金までかなうのが原則です。
C 参考資料として経常収支比率と預金対借入比率の内容は以下の通りです。

イ.

経常収支比率…企業の収益力が財務の流動性に直接貢献しているか否かをフォローの面から判断するための指標である。企業が決算において利益を計上していても、売上債権や棚卸資産などが激増して、これに投下した資金の回収が遅れると資金繰りに破綻をきたし、黒字倒産の憂目を見ることになります。こうした傾向を経常収支率は明らかにするものであり、この比率が引き続いて100%を下回るとすれば、企業の安全性がフローの面から脅かされていると判断すべきです。

ロ.

預金対借入金比率…別名預貸率ともいわれ、この比率が高い場合には資金調達に余裕があると判断される。企業の金融機関に対する力関係に影響されやすい項目であるので、銀行預賃率も参考にするとよいでしょう。

 

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