立地条件(事業場所)の確認と整理について

立地条件(めざす事業を安定して営むための場所)の確認と整理は、創業を決意するための事前準備としては、とても重要な要素です。特に、店舗・事務所を構えて顧客に来てもらうタイプの創業では、創業事業の成否を決めると言っても過言ではありません。従って、立地条件の確認と整理は慎重に行いましょう。

ところで、立地条件の確認と整理の内容ですが、創業する事業に種類によって異なるのは当然ですが、どの種類の事業であっても一般的に共通する確認事項があります。最低限この部分は確認して創業を決意するにいたる内容を整理しておかねばなりません。その内容とは以下の3つです。

1.立地特性と事業ポテンシャルの確認

事業を創業しようと考えている場所の立地特性と事業ポテンシャル(商圏規模)について、開業しようとしている業種が成り立つかの業態の成立度を確認し、整理する事を意味します。この業態成立度の可能性を知るためにも立地調査(商圏規模調査)は欠かせません。各種の制約条件(開業資金の制約等)の中で、とりあえず創業しようと考えた場所の立地特性と事業ポテンシャルについて事業を継続していくための必要売上高を賄えるかどうかの立地調査(商圏調査)をしましょう。

立地調査(商圏調査)とは、簡単に言えば顧客が来てくれる可能性の程度を把握する事をいいます。要するに、自分が創業しようと考える事業のターゲットとなる顧客がどれだけ見込める立地(商圏)かを整理・確認することを意味します。確認の方法としては、地域における住民基本台帳、業種別調査票、主要交通機関の利用客数、事業者数、商業統計等を調査して、自分が営もうとする業種の業態成立度の可能性を把握しましょう。

2.創業事業のニーズ確認

[1]で創業しようとしている場所の立地特性と事業ポテンシャルを確認し整理出来たら、この立地(商圏)で自分が提供しようとしている商製品やサービス、技術等を受け入れてくれる(買ってくれる)ニーズがあるかどうかの確認・整理です。

いくら立地条件(商圏)が良くても、自分が強力な差別化要因をもっていても、その立地(商圏)に存在する人々が受け入れてくれる顧客ニーズがなければ創業事業は成り立ちません。

この立地(商圏)に存在する顧客が、自分が創業し提供しようとしている商製品やサービス、技術等を欲しているかを確認・整理する必要がある訳です。そのためには、立地(商圏)に居住する主な顧客層を確認し把握しなければなりません。例えばビジネス街であれば主たる客層はビジネスマンと事業主であり、住宅街であれば主たる客層は主婦や学生・お年寄りと言うことになります。また繁華街であれば主たる客層は、不特定階層の客層と言うことになる訳です。

これらの主たる客層をしっかりと認識・把握することで、その立地(商圏)の主たるニーズが見えてきます。この立地(商圏)の主たるニーズが創業しようとしている業種で提供しようと考えている商製品等にマッチングしているかどうかを確認・整理しましょう。

3.店舗(事務所)の設備等に関する条件確認

上記[1]・[2]の立地特性や立地ニーズを確認し整理出来たら、整理・確認した内容に見合う物件を探すことになる訳ですが、新たに取得(建築)するにせよ、賃貸するにせよ立地特性と立地ニーズを意識した物的設備を整えることになる訳です。この場合、物件の位置関係や物件に整える設備関係等について、創業しようと考えている立地で既に営んでいる先輩事業者を見学するなり、立地の業界団体や商工会等を訪問したり、あるいは業界志・専門誌等で予備知識を入手して不動産業者や建築業者、設備業者等と交渉するための条件を確認・整理しておきましょう。

 

「創業を決意するまでの準備期間」へ戻る