創業する事業分野の情報収集と分析

創業する事業分野の情報収集と分析において、まず確認しておかねばならないのが事業の将来性や確実性です。

創業しようとしている事業の現在の状況とその将来性並びに事業を存続させるための確実性について情報収集・分析しておきましょう。この場合に、重要なポイントとなるのが以下の5項目です。

1.時代背景

創業しようとしている事業の業界は、時代に合う又は人々から必要とされているニーズが見込まれる業界かどうかと言うことです。

現在、時代背景として言えることは、少子高齢化に伴う超高齢化社会の到来とIT技術の高機能化に伴う社会インフラの激変並びに地球温暖化対策に伴うエネルギー政策の大転換等の影響を念頭におきながら情報収集して、創業事業の将来性を見極めしなければならないと言うことです。

2.市場規模(商圏規模)

創業しようとする事業の地域における商圏規模(市場規模)がどの程度見込まれるのか?

[1.時代背景]とも関連しますが、時代背景上縮小していくと見込まれる業界は、市場規模(必要とされる売上規模)を期待できません。

ただし、市場規模(商圏規模)はアイデアや相違工夫によって現在認識されていない、現象化していないサービスや商品を開発・開拓することでこれまでにない新たな市場を作り出す可能性も秘めているわけで、現在は期待できない業界とみられていても、可能性を秘めた業界に変転することもあるので、厳しい時代背景を乗り切っていけるだけの差別化要因を見出すことも必要です。

3.競合関係

創業しようとしている事業が属する業界は、多くの場合大中小の先達事業者が競合事業者として存在します。

従って、まずは創業しようとしている地域(商圏市場)において、当面の競合事業者がどのような主力商品やサービス・技術、販促活動を展開し、戦略的及び戦術的な戦いを挑んでいるのかを知り、その内容を冷静に分析して自身の事業がこれら先達の競合者を相手にして戦っていける要素(材料)を明確にして整理しておく必要があります。

4.競合者に対する優位性

[3.競合関係]とも関係しますが、地域商圏の競合関係者を知り、自身の創業事業が存続していくための材料が見極められたら、競合者に対する優位性(自身の差別化要因)を認識し整理しておく必要があります。

それは創業する事業の過去の経験や技術・人間関係・資格あるいは商圏市場に認知してもらうための仕組みづくりのノウハウ等、自身の競合者に対する差別化要因を明確にし、それを商圏市場で展開していくための戦略や戦術を整理しておく必要があります。

5.資金の持続性

創業する事業に必要となる資金は開業する事業の種類、規模、地域、内容ごとに大きく異なりますが、少なくとも創業前に必要となる設備資金(不動産・内外装・器具備品等の創業頭初に必要な資金)と運転資金(商品の仕入・人件費・家賃などの月々の運営費)を調査・分析し、創業事業から見込まれる正味収入(売上から経費を差し引いた残額)を査定して、当面の必要資金を確認(捻出)しておく必要があります。

起業後半年から1年ぐらいは自己資金でまかなっていけるだけの資金を情報収集し、確保するための手立てを確認しておきましょう。

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