遺言・遺産相続

 遺産をめぐる様々なトラブルを防ぐためにも遺言を残す人は年々増えています。遺産相続の手続きは相続税等のことを考慮し、できるだけ早めに行うのがよいでしょう。いずれも行政書士、弁護士、税理士など専門家に相談すると、より円滑に行うことができます。

 

遺 言

■遺言する

 法で定められた相続人以外の相手に分配する方法で財産(負債も含む)を残したいときは、遺言が必要になります。遺言は自由意志で行え、法定相続よりも優先されます。さらに、2000年4月の民法改正により、精神障害を持つ、人身寄りがない人なども容易に遺言を残せるようになったので、詳しくは行政書士に相談してみましょう。

 遺言は満15歳以上であれば誰でもできます。書き直しも可能で、一番新しい日付のものが有効です。民法で規定された普通方式と特別方式の2つに大別されます。

  

【普通方式】

T.自筆証書遺言

@

遺言の内容、作成日付、氏名を必ず本人が書く

   (他筆、ワープロ、テープレコーダー、日付印、ゴム印は無効)

A

自分の氏名を書いた後に押印する

   (認め印や拇印でもかまわないが、実印が望ましい)

B

加除訂正に注意  (変更の仕方や付記に条件あり)

U.公正証書遺言

@

公証人役場へ行く

ア.印鑑証明、財産のリストなどの必要書類を持参する

イ.次回指定日時に行く時、証人二人(民法974条により制限がある)を連れて行く

A

作成された遺言書に遺言人と証人が署名・押印する

B

公証人が法律規定に基づき作成した旨を付記し、署名・押印する

C

3通作成される
V.秘密証書遺言

@

遺言の内容は秘密にし、遺言したことだけを明らかにしたい場合に作成する

A

本人の署名・押印が必要。遺言書は他人に書いてもらったものやワープロ、タイプでもよい

B

封筒に入れ、遺言書に押した印で封印する

C

公証人役場へ提出、署名・押印を受ける
■遺留分

 どんな遺言があっても相続人が最低限相続できる財産の割合を「遺留分」と言います。

 遺留分の割合は相続人が、子のみ、配偶者のみ、子と配偶者、配偶者と父母の場合、いずれも相続財産の2分の1が遺留分となります。

 相続人がいずれが父母のみの場合、相続財産の3分の1が遺留分となります。

 相続人が兄弟姉妹の場合、遺留分はありません。

 なお、遺留分は請求しないと認められません。

 

 

遺産相続

 

 被相続人の死亡によって財産を相続できる人は民法で決められており、これを法定相続人と言います。法定相続人には順位があり、相続分についても法律によって定められています。

 

【法定相続人の順位と相続分】

T.法定相続人

@

配偶者

A

第1順位

 子およびその代襲者(子がすでに死亡しているとき、被相続人の直系卑属のこと)

B

第2順位

 直系尊属(親、いなければ祖父母)・・・被相続人に子供がいない場合

C

第3順位

 兄弟姉妹・・・被相続人に直系尊属も直系卑属もいない場合

U.法定相続分

@

第1順位

 配偶者=2分の1   子=2分の1

A

第2順位

 配偶者=3分の2   直系尊属=3分の1

B

第3順位

 配偶者=4分の3   兄弟姉妹=4分の1

 

 遺産相続の内容、分配が遺言所で明確にされていたら、原則としてそれに従います。

 遺言書がない場合、相続人全員が納得すれば、遺産の分配は相続人間で自由に決めることができます。

 遺産の分割の話し合いが整わない場合、家庭裁判所へ調停申し立てを行います。

 さらに調停が不成立になった場合は審判申し立てを行い、家庭裁判所の審判官が、各相続人相続分に反しないよう、遺産の分割を行います。


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