寝たきり状態にある方への介助

座位の取れる方への介助

方麻痺のある方への介助

視覚障害のある方への介助

誤嚥・誤飲の予防と対応

寝たきりの状態にある方への介助

■道具

 箸・スプーン(大・小)・フォーク

 ジャバラストロー(献立による)

 吸い飲み

 被介助者用エプロン

 (タオル、ナプキン等でも可)

 おしぼり又はウエットティッシュ

 体位を整える為の枕やクッション

 

■ポイント

 1.可能な限り頭部をあげるようにして、困難な場合は、横向きとして

  介助者の方に向けます。

 2.飲み込みにくく少量でも満腹感を感じやすいので、ゆっくり落ち着

  いて介助します。

 3.飲み物や酸味の強い食べ物は、むせやすいので一回の量と口に

  運ぶタイミングに配慮します。

 4.食欲をそそるように、食事の献立や中味を説明するなどの働きか

  けましょう。

 5.被介助者が飲み下したのを確認しながら、次の食べ物を口に入

  れます。

 6.食事の後は、うがい、歯磨きなどケアは必ず行いましょう。

 準     備 

 排泄の有無を本人に確かめた後、食事の時間であることを告げます。

 被介助者の状態にあわせた体位に整えて下さい。

 介助者用の椅子や食べ物を乗せるお膳の位置を適切な位置に配置し、落ち着いた介助ができるように準 備しましょう。

 被介助者の寝具や寝巻きを汚さないように、エプロンなどをかけます。

 

 体     位

 ギャッジベットでは、頭部を15〜30度ギャッジアップし、横向きの姿勢で膝を軽く曲げると良いでしょう。

 和布団では、横向きの姿勢をとり、背中部分にバスタオルや枕を置き体位が安定するようにします。

 

 食     事

 器を受け皿にしてこぼさないように口元に運びます。

 汁物は吸い飲みに移し替えか、吸引力のある人は太めのジャバラストローで汁だけ飲んでもらい、具を

 スプーンで介助する。吸い飲みは口角から頬の内側にそっと流し込むように使いましょう。

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座位の取れる方の介助

■道具

 箸・スプーン(大・小)・フォーク

 吸い飲み

 被介助者用エプロン

 (タオル、ナプキン等でも可)

 おしぼり又はウエットティッシュ

 体位を整えるための座卓

 枕・ベット用オーバーテーブル

 車椅子または椅子

 

■ポイント

 1.自力で座位がとれるか、介助によって座位がとれたのかによっ

     て、介助の度合いが変わります。

 2.被介助者の状況をみながら、できるなら自力で食事ができるよう

  に見守ることも大切です。

 3.テーブルの高さは、腹部と胸部の間あたりに調整するのが良く、

  高くても低くても被介助者は疲れます。

 4.献立に合わせて箸、スプーン、フォームなどを準備するほか、おに

  ぎりなど食べ易さ工夫も自力での食事を可能にするでしょう。

 5.被介助者と目線を合わせる位置に座り、落ち着いて介助しましょ

  う。

 準     備

 排泄の有無を本人に確かめた後、食事の時間であることを告げる。

 ギャッジベットでは、ほぼ垂直にアップして、オーバーテーブルの高さを合わせます。

 和布団では、座卓で座位を安定します。

 車椅子や椅子での座位が可能ならば、できるだけ家族といっしょに話ながら食べると気分転換になります。

 被介助者の身だしなみを整え、衣服や寝巻きを汚さないようにエプロンを使用します。

 

 体     位 

 ギャッジベットでは、上半身を90度ギャッジアップし、膝を15度くらい軽く曲げ、頭部が少し前かがみとなる

 ように背中部分に枕をはさむと安定します。

 座卓では、背もたれが肩の高さくらいあり、肘掛けなど上肢を支えるものあると良く、膝の裏側に小枕など をはさむと安定した体位が保てます。

 車椅子または椅子では、深く腰掛けおしりを安定させます。車椅子用のテーブルや車椅子に合わせた大き さのテーブルがあると便利で使いやすいでしょう。

 

 食     事

 被介助者のようすをみながら、介助したり、取りにくそうなものをそばに移すなど、楽しく自力で食事ができ るように見守りましょう。

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方麻痺のある方への介助

■道具

 被介助者の身体能力にあった箸・スプーン(大・小)・フォーク

 被介助者用エプロン(タオル、ナプキン等でも可)おしぼりまたはウエットティッシュ

 座位を保持するための座卓、枕・バスタオルなど・滑り止めマット

■ポイント

 1.片麻痺のある方は、自力で食事かできる場合でも嚥下(飲下し)に支障をきたしたり、嚥下が困難であっ

  たりします。食事中、後の被介助者をよく観察することが大切です。

 2.麻痺側の口元から食べこぼす場合があるので、手早く、そしてさりげなく拭き取ってあげましょう。

 3.被介助者の残っている能力を活用し自力での食事ができるようにすることは大切ですが、時間がかかり

  すぎて、被介助者に疲労が見られる場合は適宜に介助しましょう。

 4.献立によっては、おにぎりにしたり、おかずの肉や魚を一口大に切っておくなど、食べやすく工夫してくだ

  さい。

 5.麻痺側の頬の下側には食べかすが残り易いので、食事後の口内のケアを忘れずに行いましょう。

 準     備 

 できるだけ座位での介助を目指しましょう。(座位のとれる方への介助  参照)

 片麻痺のある方は、麻痺側に傾きやすいので体側に丸めたバスタオルなどを挟み込み、安定した体位で

 介助できるようにします。

 利き手に麻痺があるときは、被介助者に残っている能力に合わせ、スプーン、フォークなど持ち易い自助具

 を準備します。(自助具のいろいろ  参照)

 体     位 

 被介助者の状態に応じて体位を整えます。(寝たきりの方または座位のとれる方の体位  参照)

 麻痺側への傾きや転倒を避けるために、被介助者の体側にそってバスタオルを丸めたものなどをベットの

 間に挟み込みます。
 車椅子では、安全ベルトを着用します

 食     事 

 被介助者の残存能力に合わせ、適切な自助具で可能な限り自力での食事を目指しましょう。

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視覚障害のある方への介護

■道具

 箸・スプーン(大・小)・フォーク

 被介助者用エプロン

 (タオル、ナプキン等でも可)

 おしぼり又はウエットティッシュ

 

 

■ポイント

 1.食事を乗せるお盆などの大きさ、食器の間隔等を触れてもらいな

  がら、時計の文字盤にそって説明します。(例えば9時の位置は、

  ご飯ですというように)。

 2.汁物などは器の7〜8分目程度に盛り付け、温度に注意します。

  献立もできるだけ具体的にイメージが描けるように説明しましょ

  う。(例えばマグロのお刺し身ですというように)

 3.自力での食事が目標ですが、食べ物が食器の隅に片寄ったり、

  残りがどのくらいかなど、言葉をかけながら見守りましょう。

 準     備

 献立によっては、魚は骨をとり、からしなどの調味料の好みに合わせ、予め塗布するというように食べ易く

 工夫をします。

 食事の位置は、毎食できるかぎり定位置に座り、食器の位置も決めておくとよいでしょう。

 禁忌食品の有無はあらかじめ確かめて下さい。

 食堂では、テーブルに誘導したら椅子とテーブルに手を触れながら座ってもらいます。

 座る席はできれば、背後が壁面の場所がよく、いつも決った場所にします。

 テーブルの上の食事の準備をしたら、手を導いて献立と食器の位置の説明をします。
 時計の文字盤に位置で説明するときは、被介助者の位置が6時であることを伝えます。

 

 食     事

 被介助者の動作や様子をよく観察しながら、会話のある楽しい食事の時間とするように心がけましょう。

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誤嚥・誤飲の予防と対応

■注意・予防

 嚥下しやすい姿勢を食事を取るようにすることが大切です。寝たままの姿勢で食べると誤嚥の危険性が高

 く、椅子などで出来るだけ、座位をとるようにします。

 上体をやや前傾して、顎をひいた姿勢がよいとされています。

 座位のとれない方は、ベットの上で上半身をできるだけ高くして、同様に顎をひいた姿勢とします。

 胃や胸部を圧迫しないような寝具・寝巻きを使用してください。

 食べ易い食品を選択したり、調理方法を工夫しましょう。

 嚥下しやすい食品−プリン・茶碗蒸し・麺類など

 嚥下しにくい食品−もち・パン・とろろ・こんにゃく・のりまき・生の魚貝類・かたゆで卵・クッキーなど、酢の 

 物・みかんなどの柑橘類はむせやすいので注意する)

 喉の通りをよくするために、みそ汁、スープ、お茶などで喉と口の中をうるおしてから、固形の食品を食べる

 ように介助してください。

 飲み込める量だけ口に入れ、きちんと飲み込んだのを確認してから次の食べんものを口に運びます。

 固形の食べ物と汁ものを交互に食べるようにしましょう。

 被介助者がそしゃく中は返事を求めるような会話は避けましょう。ただし、意識状態が低下している場合

 は、食べ物を口に入れる毎に、声をかけよくそしゃくして飲み込むように促しましょう。

 咳き込んだり、吐き気やチアノーゼがないか食事中もよく観察し、異常を感じたら直ちに食事を止めます。

応急対処

 むせたときは、前かがみの姿勢で背中をさすったり、軽くたたきます。

 喉に詰まらせたときは、口を大きく開けさせて、詰まったものが見えるときは入れ歯を外し、指でつまんで

 取り出します。詰まったものが見えないとや取れないときは、喉の置くを刺激して吐き出させてください。そ

 の時の姿勢は前屈姿勢で、背中、肩、または胸骨の間を強くたたきます。

 食物が気管に入ると、激しく咳き込みます、ただちに耳鼻咽喉科の医師に取り出してもらいます

調理の工夫

 お年寄りは、総じて体力や機能が弱まってくるため、健康状態によって、普通食・やわらかく煮た軟食・ほ

 ぐしたり、きざんだりしたきざみ食・ミキサーにかけたミキサー食・おもゆのような流動食などのように食べ

 やすい内容にします。

 一般的に、パサパサしたものや、水分の多いもの、酸味のきいたものより、表面がなめらかでソフトで適度

 な粘りがあるものが喉の通りも良く、ゼラチンや寒天で固めたり、とき卵やを混ぜたりすると食べ易くなりま

 す。

 調理では、材料を細かくきざんだり、隠し包丁を入れたり、たたいたりして噛み易くすることも大切です。

 入れ歯や歯が悪い方のためには、ゴマなど歯ぐきの間に挟まり易いものはすり潰し、豆腐や卵、チーズや

 豆腐を上手に使った料理などが食べ易い。冷たいものや熱すぎるものは避けた方がよいでしょう。

 市販の嚥下補助食品、栄養強化食品もおいしく、食べ易いものも多いので併用するのもよいでしょう。

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