九州地方整備局は31日、18年度予算の概要を発表した。直轄事業は約３、４２０億円、補助事業が約７、７２９億円の計１兆１、１４８億円（前年度比０・２％増）。本県関係の新規事業（補助事業）を見ると道路関係で藺牟田瀬戸架橋（一般県道黒浜水深線）と有明志布志道路（志布志市有明町から同市志布志町）。また、河川関係では、直轄事業の春松川上流えん堤群（桜島直轄砂防事業）、補助事業が唐湊地区（鹿児島市）新川床上浸水対策特別緊急事業、垂水市地区（砂防激甚災害対策特別緊急事業）。さらに、南薩縦貫道の川辺〜知覧間（約９キロ）を調査区画に指定した（主な事業個所は４面に掲載）。
　新規事業（補助事業）で藺牟田瀬戸架橋（一般県道黒浜水深線）は、１・５億円を予算化。セット区間は薩摩川内市鹿島町藺牟田から同市上甑町平良までの延長５・３キロ（Ｗ７・０メートル）。その中に海峡を跨ぐ藺牟田瀬戸架橋（１・53キロ）がある。その他の構造物は、小規模な橋梁１基、トンネル３本を予定し総事業費には約２２０億円を試算。工期に12年程度を見込んでいる。
　有明志布志道路は現在、19年度供用に向け松山ＩＣと有明ＩＣ間を整備。今回、16年度から調査区間となっていた志布志市有明町伊崎田〜同市安楽までの約４・０キロ（Ｗ10・５メートル）で新規事業着手。総事業費は約74億円を見込み18年度（１億円）は、調査設計と用地買収を予定。
　主な継続事業で東九州自動車道（志布志〜末吉財部）は１１５億円を予算化。大隅から末吉財部間は21年度供用に向け、橋梁や土工及び用地買収を推進。また、鹿屋串良から大隅間では、設計、調査、地元設計協議及び用地取得を推進。さらに、志布志から鹿屋串良間が設計・調査を推進し地元設計協議を予定している。
　南九州西回り自動車道は、出水阿久根道路に６億円を内示。セット区間が出水市下知識（出水ＩＣ）から阿久根市鶴川内（鶴川内ＩＣ）までの延長14・９キロ（Ｗ20・５メートル）。現地測量・調査を推進する。その他の区間では、川内隈之城間（５億円）で18年度内の供用を予定し芦北出水道路が５、０００万円を充て調査を推進する。
　河川事業費の新規個所は、直轄で春松川上流えん堤群に着手。18年度は６、０００万円を充て施設建設のための事業用地調査・買収を行う。全体計画を見ると、整備場所は鹿児島市春松町地内にえん堤２基（７、８号えん堤）と床固工１基（７の１号床固工）を整備する。20年度完了を目指す総事業費に約８・３億円を試算。
　補助事業の新川（鹿児島市唐湊地区）で実施する床上浸水対策特別緊急事業に５億円を予算化。21年度までに約31・５億円を見込み掘削・護岸工（６６０メートル）や橋梁３基を整備。18年度は橋梁改築と用地買収を行う。なお、西之谷ダムには７億６００万円を充て付替え市道（暫定断面７４０メートル）や流量・水質調査を行う。
　台風14号等に伴う災害で砂防激甚災害対策特別緊急事業（垂水市地区）に新規着手。20年度までの３ヶ年事業で総事業費に約20億円を見込み砂防堰堤９基、流木捕捉工２基、渓流保全工２個所、山腹工１個所（14渓流）を整備する。