東京都内の百貨店で開催された「鹿児島展」に、西郷隆盛翁の銅像がお目見えし人気を集めた。
　特産の焼酎などをラインナップした「焼酎の夕べ」や、大隅特産の銘菓などの展示でにぎわう中、西郷翁の像の展示は、鹿児島の近代史を物語る企画として好評だった。
　東京では、全国各地の観光と物産フェアが頻繁に開かれ、観光客誘致などの競争が激しさを増しているが、地域の歴史のアピールを重視する例は多くない。目先の特産品即売の売れ行きなどに焦点が当てられがちな中、鹿児島の近代史アピールの試みは長い目で見て、地元宣伝に効果を発揮しそう。
　会場を訪ねた鹿屋人は「西郷さんの像が飾られていてうれしく心強い。故郷の歴史文化をもっと地元から発信してほしい」と話した。日本近代史における西郷翁の役割の大きさは、国際的にも知られており、鹿児島の人物に光を当てた地域宣伝に寄与しそうだ。
　西郷翁は、幕末に王政復古の動きに活躍し、難題を乗り越え、江戸無血開城を果たした日本近代史の分水嶺を担った。帰郷後、参議となり、廃藩置県にたずさわった。後に西南戦争を起こしたが敗北し城山で自決したが、スケールの大きさや志を貫いた生涯に西郷ファンは多い。

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