今月のコラム　+赤が好き？

僕の家には金魚がいる。
この金魚。生まれはとある方の家の池の中。
僕の誕生日に下さると言う事で、50匹↑の大家族の中から、赤2匹、黒2匹を頂いた。何ゆえ4匹かというと、喧嘩をしたときに2対2でいいかな？と考えたから。
現在、水槽の中には赤3匹の金魚が元気に泳ぎまわっている。
赤い金魚が1匹死んでしまったから。
黒い金魚は赤くなってしまったから。

いつものように金魚に語りかけながら、金魚の異変(?)に気付く。
黒い金魚の口の周りが赤くなっていたのだ。
「喧嘩したのかな？ぶつけたりしたのかな？」という心配を他所に、黒い金魚には日に日に赤い部分が増えていく。
やっぱり病気か！？と心配になり掲示板に書いてみたところ、太陽の光に当てたりしたら黒い金魚は赤くなると教えてもらった。でも、僕の金魚は太陽の光には当っていない。（太陽光に当てるなって注意書きに書いてあったから）やっぱり病気かもしれない…。病気ならなんとかしなきゃ！と思い、金魚119番などのホームページを調べ「デメ金は赤い金魚と一緒にいると赤くなる」という文書を発見した。

嘘みたいだけど、ホントの話。（それとも僕が知らないだけか？）
赤い金魚と一緒にいると黒い金魚は赤くなるのだ。
見つけた記事には「体がこういう仕組みだから赤くなるんです」って説明もなかったので何故赤くなるのかはわからなかったけれど。
僕の黒い金魚はなんで赤くなったんだろう？

黒い金魚のお目目には赤い色がきれいに映ったんだろうか？
赤い鮮やかな色が羨ましかったんだろうか？
僕は黒い色もかっこ良くて好きだけどな。
夜に見える星だって空が黒くなきゃ綺麗に見えない。
他の色を綺麗に引き立てる黒…
黒い金魚は自分を赤い金魚の引き立て役のように感じていて、自分の黒い色が嫌いになったのかな？
好みもあると思うけど…赤くなろうとする金魚の気持はわからない。
でも、もし金魚が「自分は赤い金魚の引き立て役なんだ…」という思いをしたのなら気の毒だと思い、僕は本棚から1冊の本を取り出し読んでみた。

「ひとりひとりは神様の傑作です。
ですから、ひとと比較することは神様への冒涜です。」

僕は金魚にバレンタイン神父様の言葉を伝えた。
そして、その言葉に隠された（？）気持も感じ取って欲しいと思った。
言葉を聞いた金魚は、一瞬小さなおめめを閉じたような気がした…

言葉に心打たれ、今自分がしようとしている事に後悔したのか、それとも自分の決断（？）は間違いない、これでいいの！と思ったのか…黒色と赤色のまだら色の金魚の気持はわからない。

日に日に黒い色が赤い色に変わっていき、黒い金魚は、
すっかり赤い金魚になってしまった。
「僕なんて…」と他人と比べてへこむより、「僕だって！」の心意気で生きてほしい。そんな僕の気持に気付いて欲しかった。

（直接そう言えばいええやんなんて意見は言わないように。）
黒い金魚は「赤色が絶対良いに決まっている！」という気持で一杯で、自分の「良さ」に気付けなかったのかもしれない。

金魚は今でも赤が好き？なのかは
赤くなって3ヶ月経った今でもわからない。
とりあえず毎日元気に3匹仲良く泳いでいる。