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07:2001/02


公平感のある人事評価制度策定のポイント

公平感のもてる人事評価システム作成のポイントは以下の通りです。

(1)人事評価システムは社員を巻き込んで作る!

人事評価システムはできるだけ社員を巻き込んで作るようにしてください。これは「全社員で作る」ということではなく、あくまで「社員の声も反映させてあげる」という意味で重要です。これを社長だけで作ったり、或いは社長が総務部に一方的に任せたりすると「現場を無視している。こんな内容で我々の仕事を査定してもらっても話にならない…」といった声が上がり、逆に社員の志気を低下させるケースも多々見られるようです。

(2)評価用のシートは部門毎・階層毎に作る!

例えば経理担当の人に営業マンに採用する評価項目である「期中の売上目標達成率」という評価項目を採用しても特別な場合を除いては評価のしようがないことはお解りかと思います。それぞれの部門・階層において彼らが果たすべき職責やその実態に応じて評価がなされるよう、評価用のシートは部門毎・階層毎に別けるようにしましょう。

(3)評価項目は3つの大分類の中から決める!

評価するのは実績のみ!という会社が時々ありますが、それでは社員の危機感をあおるばかりでいずれ社員達が疲れ果ててしまいます。よって、下の3つの基準の中から評価項目を選定し、社員の成長に寄与するような内容に仕立て上げましょう。

成果の実現度 : 一般的な「実績」や「業績」についての結果そのものの評価
業務の遂行度 : 「結果を出すための取り組み姿勢」の評価。この点数が高い人は短期的には結果が出せなくても、徐々に伸びる可能性をはらんでいる。その「頑張り度」を評価してあげる。
能力の啓発度 : 「技術」「モラル」「マナー」といった点について自己の能力を高めたり、会社全体へのイメージアップに貢献してくれている時、具体的に評価してあげる。逆に、いくら実績をあげていても会社のイメージダウンに繋がるような人にはその事実を証明し、教育を行う 。
(4)ウエート付けを行う(抽出した評価項目はそれぞれ重みが違う)

「挨拶が元気」という項目と「売上目標達成率120%」という項目はそれぞれ重要な項目であることに違いはありません。しかしながら一般的には「売上目標達成率」の方が重視されます。よって、重要な項目にはそれなりに重き
を置く査定をしてあげる必要があります。これをウエート付けと言い、重視する度合いに応じて一定の倍率をかけることによって最終的な評価点数(=総合点数)のバランスをとる役割を果たします。

(5)5段階評価にし、それぞれの段階を文章化する

中小企業の人事評価導入の経験から判断する限り、ほとんどの中小企業では評価段階を5段階にすることをおすすめします。「3段階では社員間で貢献度の差が見えにくく、6段階以上になると複雑化し過ぎて逆に最終査定が難しくなる」といったことになりがちです。尚、この時、各段階は単に1点〜5点の中から選ぶのではなく、必ず「どんな時(或るいはレベル)がどの段階に入るのか」について評価する側、される側の双方が解るように文章化して下さい。若い社員に「Aさんは5点なのに私はなぜ3点なのですか?」と真剣な眼差しで聞かれた時、公平感のある解答と指導ができるようにしておきましょう。


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