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34:2004/12

 

<企業の営業力強化のポイント>

T.はじめに
 企業の営業担当者で、高い業績をあげている人達の共通点は、理にかなったプロセスを踏んで営業活動を展開している事です。ところが、その営業プロセスが企業の担当者全員に共有されている事は、少ないのが現状です。それは、営業活動が様々な状況下で展開されているため、ノウハウの共有を図っても大きなエネルギーを要する割には実効があがりにくいからです。企業の営業力強化とは、このような問題を克服して、営業活動を一定の範囲で標準化し、システム化する事です。その期待効果は、営業レベルの底上げを図るとともに、全体的なパフォーマンスを向上させる事にあります。
 今回は、企業の営業力強化のポイントをみる事にします。
 
U.営業力強化のポイント
 高い実績をあげている営業担当者のプロセスやノウハウを担当者全員で、共有し、そのようなプロセスを前提とした管理のしくみを構築するためのポイントは以下のようになります。
1)営業ステージとターゲットの明確化
 優秀な営業マンは、必要なステップを踏んで実績をあげるためのネタを積み上げていきます。それらを営業活動のターゲットとして明確化し、営業部門の標準ツールとして共有化できるかがポイントです。このターゲットを明確化するうえで、営業ステージを把握する事も重要です。例えば季節性のある商品を扱う場合、月々の商談でとりあげるべき内容は攻略が決まっており、飛込みの多い営業では、顧客との関係が深まるにつれて、商談の内容が濃くなっていきます。従って、営業活動の時期や顧客との関係によって何段階かのステージに区分することによって、各ステージでどのようなターゲットを追求しなければならないかを明確にする事が必要です。
 
2)情報フォーマットの共有化
 各営業ステージでのターゲットが明確になると、そのターゲットの獲得に向けて、顧客にどのような情報を把握し、どのような情報を収集するかが明確になってきます。これらをフォーマット化し、営業担当者全員に徹底することにより、特に営業スキルが未熟な担当者のレベルアップを図ることができます。顧客訪問の準備にかける手間は担当者によってかなりのばあらつきがありますが、顧客への情報提供フォーマットを共有化することで、準備作業が大幅に合理化されるだけでなく、準備作業の標準化を図ることができます。情報フォーマットの共有化は、個々の担当者の営業活動の質を管理する手がかりを得るポイントでもあります。
 
3)営業管理のシステム化
 営業活動のステージ区分とターゲットの明確化がなされていれば、これを手がかりに管理水準のレベルアップを図る事が出来ます。営業活動のステージ毎に、ターゲットの獲得確率や件数が把握されていれば、営業部門や個々の担当者毎の弱みがどこにあるかがわかり、何を強化すべきかがみえてきます。将来の実績のために今なにをすべきか、仮設→実効→検証のマネジメントサイクルを導入することができるようになり、実効ある管理が行えるようになります。このように営業管理の手法をシステム化する事により、営業活動をフローの追求からストックの追求に転換させる事が可能となり、営業活動の生産性を大きく向上させる事が期待できます。

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