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32:2004/9

 

<赤字脱出の着眼ポイント>

T.まずは出血を止める事から
 赤字脱出の着眼ポイントは、まずは出血を止めること。出血を止めて、資金流出を防ぐ事が第一です。出血を止めるには、不採算部門からの撤退など、縮小均衡により採算を合わせることが不可欠です。縮小均衡は、雇用調整などの犠牲が伴うので必ずしも望ましいことではありませんが、経営力が弱体化している現状では、売上げ拡大による収益性回復は望めません。ひとまず弱っている体力の回復させる意味からも、まず縮小均衡で黒字に転換し、体力の回復を待って新たな戦略を打って経営体質の転換をしていく事が必要です。
 
U.成長戦略は外と内の両面から
 出血が止まったら、次は成長戦略の実施です。まず外に向けては、事業の再構築です。経済の構造やユーザーの価値観が大きく変化する中で、これまでの常識はもはや通用しません。高度情報シスの発達により変化して来たユーザーのニーズに応えるために、自社の製品・サービスをローコストで提供する仕組みをつくる事が外に向けての戦略です。他方、内に向けての戦略は、組織、人事制度の再構築です。市場・製品戦略を進めるには、変革に対応できる活性化した組織や人事制度が不可欠です。
 
V.積極的に創造的破壊を
 外と内の両面からのシステム再構築は、今のシステムをゼロからつくり直す事を意味します。いったん破壊し、その上で新たに創造するのです。破壊するとは、これまでの慣習を打ち破る事。経営理念からはじまって、今の売り方、作り方、組織構造から採用、昇進の仕組み、給与体系など、経営のあり方のすべてを破壊の対象としなければなりません。もちろん良いものは、再び、とり入れ、改めるべきは、創造的に破壊することが必要です。
 
W.改善計画を計数で固める
 赤字脱出の行動計画は、計数で具体的に固めなければなりません。観念論でこうしようああしようといくら論議しても結果は出ません。具体的にいくらコストを下げるのか?利益率を何パーセント改善するのか?どのようにしていつまでにと言うように。この結果売上高や経常利益がいくらになるかを数値データで煮詰める事が必要です。赤字からの脱出には、現状認識と改善目標の共有化をはかる事が大切であり、共有化の手段として数値データは欠かせません。
 
X.トップダウンで進める
 改善改革 は、トップダウンで進めるようにしましょう。抜本的な改革をしようとするほど痛みを伴います。不採用部門からの撤退や雇用調整など企業責任の大きなものほど、トップ自身の責任と受けとめその反省の上に立って対応することが、正しい理解と協力体制を固めるうえで欠かせません。
 
Y.経営の改革は経営者で決まる
 立ち直る企業は、社長自らが全てを自分の反映と受けとめて心から反省し、自分を変えることを通じて企業の再生をはかる決意をしています。すべては自分の反映として、受けとめること、これは自然界の道理でもあります。このような姿勢が従業員の協力を生み、仕入先や金融機関、及び、得意先、ユーザーからの信頼につながっていくのです。

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