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09:2001/02


異業種交流の進め方について

(1)異業種交流とは
 異業種交流とは、異業種の企業が、厳しい環境変化に対応し、互いに異なる経営資源、特に情報・技術・経営ノウハウといったソフトを交流する事により、自社の経営資源の質的レベルを高め、それを適切に統合し、新製品や新市場を開発する事によって、新規事業分野への展開を図ろうというものです。
(2)異業種交流の目的

(3)異業種交流の心構え

@問題意識を持つ

 自社の現状や将来に対する問題意識をもって参加する。参加メンバーが問題意識を持って参加することにより、メンバーにとって経営改善や新製品開発のきっかけを与え、解決の方向性を明示できる。

A好奇心と向上心を持つ

 異業種交流活動に取り組む場合、大切なことは、好奇心と向上心を持つことです。交流の場で、他業界の話を聞いて「自分には関係がない」「よく分からない」と感じるか、「関係がなかったらこそ知りたい」「分からないからこそ聞く価値がある」と考えるかは、好奇心・向上心の強さによる。従って、好奇心・向上心を持って参加しているか否かにより、新たな分野への事業展開力の差になって現れてきます。

B積極的に仲間をつくる

 異業種交流で得る最初のメリットは、人脈の広がりです。それは、往々にして新しい事業機会を広げてくれます。事業展開の方向について見極めがいるとき、この異業種交流は、情報ネットワークとしての役割を果たしてくれます。従って積極的に仲間をつくり、あらゆる機会をとらえ、繰り返し素直に自分と自社について語り、自分を知ってもらう努力をおこったてはなりません。

C信頼関係を確立する

 異業種交流は、経営力の強化と新事業分野の進出を目的に、メンバーが持っている情報・技術・ノウハウなどの経営資源を交流し、相互利用しようというものですが、この場合、参加メンバーが互いに信頼し合い、協力し合う関係が確立されていなければ、グループ活動の中で交流される情報・技術・ノウハウはいい加減なものとなってきます。従って、ギブ アンド テイクの精神で臨み、信頼関係が確立されなければなりません。

D長期的観点から取り組む

 異業種交流は、参加メンバーの信頼関係を基礎に道の関係からスタートするわけですから、成果や結果を性急に求めないという事です。メンバーが互いに知り合い、交流を重ねて継続していく中で、時間を掛けながら実質的成果を得るよう取り組むことが必要です。

E自社内で異業種交流の受け皿をつくる

 交流の場で得たものを生かすためには、それを検討し実施していくための受け皿としての機構を自社の中に作る必要があります。

(4)異業種交流の手順

[1]チーム編成

 まず8人〜10人程度のグループを編成します。この場合、メンバーの業種が異なり、ライバル関係にないこと、及び自社の現状や将来に対して問題意識を持ち、成長を目指してチャレンジする精神と経学革新への情熱をもっていることを前提として、チーム編成を行う事です。

[2]チームの運営方針

@グループ活動のねらい

 グループ活動の着手にあたって、明確にしておかなければならないのは、@メンバーの異業種交流に対する理解や取組み姿勢の統一 Aメンバー間の信頼関係の確立 Bメンバー各自の保有する経営資源の内容と水準の把握 C共同意識の譲制です。

 従って、人的交流→情報交流→相互利用という活動プロセスを通じて「知りあい」「使いあい」「創りあう」という関係を構築してください。

Aグループ運営上の留意点

段階

第一ステップ

知りあう

第二ステップ

使いあう

第三ステップ

創りあう

活動のねらい

経営資源の相互把握を目的として、全体交流を推進する

経営資源の相互利用を目的として、個別交流(相互取引)を推進する

新技術・新市場・新事業の共同開拓を目的として個別連携を推進する

強化目的

経営ノウハウの獲得

(自己革新・啓発)

経営力の強化

(事業機会の発見)

新事業分野への進出

(多角化・事業転換)

交流態様

研究会中心

グループ討議中心

テーマ別分科会

[3]研修会の進め方

 異業種交流会の第一歩はメンバー全員が定期的に集まり、情報交換などを通してお互いを知り合う事から始まります。従って当面は、知り合うために研修会を中心として経営ノウハウの情報交換に務めるべきです。

  なお、勉強会方式による研修会の方法を採用するという事であれば

     @情報発信(ビデオ研修)

           ↓

     A共同学習(ビデオ内容について参加者メンバーで話し合い)

           ↓

     Bメンバー討議(一つの解決の方向性の確認)

           ↓

     C自社の業種・業態に置き換えて考えてみる

  という形式になろうかと思います。


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