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20:2003/05


中小企業に関連する平成14年度改正商法の概要

平成14年5月に

  1. 企業統治の実効性の確保

  2. 高度情報化社会への対応

  3. 企業の資金調達手段の改善

  4. 企業活動の国際化への対応


 という4つの視点から、商法のうち特に会社法分野について、機関・様式・計算・その他に及ぶ全面的な改正がなされました。そこで、中小企業の会社にも影響があると思われる項目について、その主なポイントを整理すると以下のようになります。

(1)株券喪失登録制度
 従来の公示催告・除権判決制度の不備を補うため、喪失株券を失効させる制度として、新たに会社に対する株券喪失登録制度(登録日の翌日から1年経過後に株券が無効となる)が創設されました。反面、株券については、従来の公示催告、除権判決の制度の適用はなくなりました。なお、手続きは以下のようになります。
  1. 株券喪失登録申請書に添付書類と共に会社に提出する
  2. 上記申請書に基づき、株券喪失登録簿に記録登録する
  3. 上記申請書が株主名簿上の株主、質権者以外の者である場合には、遅滞なく名義人に通知する
  4. 上記申請者が株券の権利行使のために申請している場合には、地帯なく当該登録の旨を通知する
  5. 株券喪失登録者は、登録日から1年を経過した時点で、当該株券の再発行を当該会社に請求できる
 
(2)所在不明株主の株式売却制度
 会社の株主管理コストの軽減を図る目的で、株主に対する通知及び催告が5年間到達しておらず、且つ配当金も5年間受領されていないときは、取締役会の決議をもって、その株式を競売または市場価格等で売却することができるようになりました。なお、上記競売・売却を行うには、利害関係人の権利を保護するために3ヶ月以上その旨を公告しなければなりません。
 
(3)株主総会に関する手続きの簡素化
株主総会の手続き等に関しても、主に以下の点で合理化が図られています。
  1. 全株主が書面(電磁的記録を含む)で同意すれば、実際に株主総会が開催されなくとも総会決議が有効となる。但し、取締役会決議については、全員の同意があっても書面のみによる決議は認められない。
  2. 全株主の同意があるときは、招集手続きを経ないで、株主総会を開催することが出来る。
  3. 株式の譲渡について取締役会の承認を要する旨の定款の定めのある会社では、定款で1週間を限度に期間を短縮することが出来ます。
  4. 特別決議の定員数を定款の定めにより、総株主の議決権の3分の1まで引下げる事が可能となりました。

 


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