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12:2002/06


契約書の意義と法律との関係

1.契約書の重要性
 契約は、申し込みと承諾の(意思の合致)によって成立するから、法律で決められている例外の場合を除き、文書にしなくても効力が生ずる(契約自由の原則)。そこで日常的な取引で、取引条件(内容)が単純な場合とか現金取引のような場合には、いちいち契約書を作る必要はない。しかし、約束事が多い契約とか履行 期間が長い場合には、面倒がらずに契約書を作っておいたほうがよい。
 一般に、文書化することによる利点としては、次の物があげられる。
 @証拠が残る
 A人づてに伝わっても内容が変わる心配がないので意思の伝達に適している
 B人間の記憶と異なり、時間がたっても確実にその内容が保たれる
 そこで、契約を文書化すると、
 @契約の成立およびその内容が明確となる
 A有力な証明手段となる
 以上のことから、次の効果がある。
 @契約当事者の履行基準となる
 A紛争が生じた場合の裁判所の判断基準となる
2.契約と法律との関係
 民法や商法その他の多数の法律には、契約に関し、さまざまな規定がおかれており、これらの規定は、任意規定、強行規定、取締規定に分けられる。そこで、これらの規定が契約にどのような影響をもたらすかを見てみよう。

@任意規定
 任意規定とは、当事者がこれと異なる内容の合意をすれば、その合意のほうが優先する規定のことで、民法の契約に関する規定の多くは、この任意規定である。

A強行規定
 強行規定(強行法規ともいう)は、絶対に守らなければならない規定で、要するに、当事者の意思いかんにかかわらず適用され、当事者がこれに反する合意をしても、その合意は向こうとなる規定である。
 例えば、借地借家法、労働基準法、割賦販売法、訪問販売などに関する法律の多くの規定は、強行規定で、これに違反する契約内容は無効となる。

B取締規定
 取締規定とは、規定に違反しても合意の効力には影響がないが、処罰されるもので、例えば、無届けで貸金業を行えば、貸金業の規制などに関する法律違反で処罰される。

 以上のとおり、強行規定、取締規定(以下、強行規定などという)は、暴利行為その他反社会的な行為を禁止したり、取引上の弱者を保護する目的で規定されているものである。
 強行規定、取締規定に違反しないかぎり、契約内容は、当事者が自由に決めることができる。

 


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