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29:2004/9

<歯科医院が管理すべき会計データについて>

T.はじめに
歯科医院が管理する会計データの本質的な目的は
  1. 経営者としての院長先生自身の成績を知るため
  2. 税務署、金融機関など外部の関係者に対して経営実績を報告するため
  3. 歯科医院の内部を管理していくための3つがあります

1、2が一般的に財務会計をいわれる分野であり、3が管理会計といわれる分野です。今回は3の管理会計の分野である会計データの収益に関する部分の活かし方を見る事にします。

U.医院経営を支える会計データを把握する
1)どれだけ稼げば利益が出てくるのか?
医院経営を支える利益は、医業収益から医業費用を差し引いた残りです。医業収益は、基本的には診療報酬×患者数、医業費用は医薬品費、診療材料費、医療消耗品費、委託費他、支払いが確定したすべての経費です。財務会計の分野では、この考え方で宜しいのですが、管理会計の分野では、医業費用を変動費と固定費に分けます。変動費とは、医業収益に比例して発生する費用で医薬品費、診療材料費や、医療消耗品費などが代表的な費用です。固定費とは、医業収益があってもなくても発生する費用です。従って管理会計の分野では、医業収益−変動費−固定費=医業利益 という考え方をします。さて、歯科医院が利益を出すためには、変動費+固定費を上回る医業収益高を稼がなければなりません。即ち、損益分岐点医業収益高(収支トントンの時の医業収益高)を上回る収益を上げないと、歯科医院の利益は出てこない事をまず知るべきです。その意味で損益分岐点の医業収益高を知ることは重要ですが、損益分岐点医業収差高は固定費を限界利益率(医業収益から変動費を控除した値を、医業収益高で除した割合)で除して求めます。なお、医業収益高と収益分岐点収益高との差額が医業収益高に占める割合を経営安全率といい、何%以内の減少なら安心していられるかを示す指標です。
2)収益に関連する会計データの管理
医業収益は、診療報酬に患者数を乗じた結果です。1)で見たように、利益を稼ぐには、限界利益を増加させる必要があります。限界利益は、
  1. 診療報酬をアップするか?
  2. 患者数を増やすか?
  3. 変動費を削減するか    のいずれかで、増加します。

1.診療報酬をアップする
診療報酬をアップするには、保健診療報酬の報酬点数を見極めて、診療を実施する事になりますが、診療日数、ユニット数、保健診療単価、治療件数などのデータを把握分析して1日当りの診療収入、ユニット1台当りの治療収入、患者1人あたりの月間保険診療単価、医師1人当りの治療件数、自由診療収入比率等の分析データを出し、自院の医業収益傾向を見て、対応策(指導管理、自宅診療など)を講じるべきです。

2.患者数を増やす
現在の診療圏事情を考えれば、患者数を増やすことは厳しい状況にあります。それだけに患者総数、初診患者数、再診患者数、保健診療人数、診療中断人数などを把握して、初診患者比率、再診患者比率、医師1人当り月間保険収入治療診断比率などの分析データを出し、自院の患者実態を見極めて、対応策(診療時間の変更、接客姿勢の見直しなど)を講じるべきです。

3.変動費を削減する
変動費の内訳は。医薬品、医療材料、医療消耗品、要委託などです。患者1人々に対する診療方針や診療に対する想いを前提に不必要な項目を洗いなおすだけでも、変動費引き下げのヒントは見えて来ます。一つの目安として、変動比率が30%を超えているようでしたら、医薬品の購入単価を見直してみましょう。

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